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<後悔の自殺者>
銀河ステーション
プロローグ
…
…?
目が覚めた時、駅のプラットホーム上のベンチの上で寝ていた。
よくわからないけど、一度来たことのあるような気がした。
辺りを見回してみると、そこは駅のプラットホームと何かの窓口みたいな部屋、それに線路しかなく、周りは数多の星の輝く宇宙だった。
…あの部屋に何か影が見える。行ってみよう。

その部屋には駅員のような一人の人…のシルエットだけが佇んでいた。
「…君、何かのメモみたいな紙は持ってる?」
ポケットを探ってみると、何か書かれた紙が入っていた。
それを駅員の影に渡し、なぜ彼は影だけなのかを尋ねた。
「この駅に来る人は私含めて皆、生と死のはざまにいる人たちだから肉体がないんだ」
彼はそう答えると、すぐ
「えーっと、君の名前は?」
…
…なんだっけ…?
「…そうか、どうやら覚えていないみたいだね。じゃあ、ここで少し休んでいって。その間になにか思い出すかもしれないから。」
「あぁそうだ、ついでにここの業務も任せようか。私は少し地球に行ってくるから、一週間くらい。」
えっ。
「業務って言ったってただここに来るお客さんのメモを解読して切符を発券するだけ。そんな難しくないよ。それにだいたい一日一人だし」
…ちょっと面白そうだし、やってみる価値はなくはないな。
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